先日の夜のこと・・・
・A さん : これ可愛かったから買ってきた!
出勤する時のバッグにする!
(真っ黄色のナップサック。中央には大きく「キャ〇テ〇翼」の絵)
・職 員 : それは出勤用には合ってるのかなぁ?
Aさんはもう26歳だし大人の出勤としては、
今までの「ス〇ーピー」リュックの方が良いと思う。
そこへ帰宅してきたBくん
・Bくん :「キャ〇テ〇翼」も「ス〇ーピー」も同じアニメのキャラ。
そもそも仕事に行くためのバッグとは?
荷物が入ればよいのでは?
職場で決められたルールでもあるの?
「キャ〇テ〇翼」はダメで「ス〇ーピー」が良い理由がわからない。
私も含めそこにいたスタッフ達はぐうの音も出ませんでした。
(因みにAさんの会社は制服があるため通勤スタイルのルールはありません)
「〇〇らしい姿」
「△△らしい持ち物」
「✕✕らしい靴」・・・一体、誰が決めたのでしょうか・・・
いつからか私たちは「〇〇らしい」という色眼鏡をかけていたのかも…。
その後
『私たちはどのくらい多くの「色眼鏡」をかけているのか?』という話し合いました。
「○○はダメ」「△△は良い」という線引きは一体どこなんだろうか?
「普通になりたい。普通の女子になりたい。どうしたら良い?」と聞いてくる方もいます。
それはそれで、「普通って何?」という話にもなるのです。
先ほどのB君のように、徹底的に「なんで?そういう決まりなの?」と追及する方も…。
スタッフの中には「職場で利用者さんが周りの人達に、変な恰好していると言われるのが可哀相だから注意してしまいます」という意見も出てきました。
本当に色々な意見が出てきました。話し合う中で決定的な『正解』は無いのかもしれないというところに行きつきました。就業先のルールが明確であれば「○○会社のルールです」と伝えられますが、その他は難しいです。好きで着ているから「変な奴と言われても気にしない!」という意見も出てきたりして…。
「社会の暗黙のルール」みたいなものを肌や空気で感じ取ることが難しい特性の方も多くいます。また、すずらんの利用者さんは、「自由に選ぶ」とか「自己選択からの責任」ということを幼い時から繰り返し練習し失敗して身に着けていくという過程を実践してきた方は少ないです。すずらんに来て、ようやく自分の心の中にあることを自由に発言したり、自分で行動を選ぶということを練習し始めています。
兎にも角にも、『すずらんはスタッフも利用者さんも話し合い!!』
疑問が沸いたら、コレっておかしいの?と思ったら、『ダメ!!!』と問答無用で決めつけるのではなく、一度自らの付けてきた「めがね」を外して話し合える、そして「じゃあその方法でもやってみるか!!」と言えるホームでいたいと改めて感じた出来事でした。
【文責:花岡】
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